米国の19世紀後半の住宅様式を決定づけた、最も人気のあったデザインがクイーン・アン様式である。
クイーン・アン様式は、ビクトリアン王朝の中期に英国で生まれた様式を起源としていますが、英国のクイーン・アン様式は、比較的地味で伝統的な様式に忠実でした。米国でのクイーン・アン様式は基本的に英国のクイーン・アン様式を踏襲しながら、その華麗な意匠や装飾を誇大に強調することによって、よ分かり易い形で、伝統的な建築様式の面白さを享受できるものになったと考えられています
古き良き、懐かしいアメリカを描いたノーマン・ロックウェルこそ、クイーン・アン様式の描くアメリカなのです。ラスベガスに林立するカジノホテルのデザインは、例えばベネチアらしい特色をエンターテーメント施設のデザインに採用し、ゴンドラの浮かぶベネチアの町の一部に、本物のサンマルコ広場を十分連想させます。「ニセ物とは違った」別の創造的なデザインの空間を造っています。
米国のクイーン・アン様式は、英国のクイーン・アン様式をモデルにしながら、ノスタルジーを思う存分強調することで、アーツアンドクラフツの原型を構成したハーフティン構造、ゴシック様式、レンガなど組積建設の美しさや手の込んだ技術を存分に強調したデザインなのです。その為一部には、クイーン・アン様式によって米国のデザインは根無し草のようになってしまった、と批判する意見もあります。
クイーン・アン様式は米国におけるビクトリアン様式の代表傑作であるという評価もある。屋根伏図は教会建築の屋根のように十字を切り、そこには教会の鐘楼のような八角形の突出空間がある。住宅の周囲にはリビングポーチがめぐらされて、教会建築のバシリカを連想させる。神が天から教会建築と見間違って、ここに住む家族を守ってくれることを願ったビクトリアン様式び基本形(非対称)を忠実に実践した例で、リビングポーチを介して神の創造した自然と往来のできる農夫の家(ファームハウス)にデザインが採り入れられている。
アメリカの住宅様式20【スティクスタイル】
